完全に知らなかった

僕たちはわかりあうことができない

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

19才のハチミツ

花を贈ろうと思った。 クリスマスの夜に花束を贈ることは、なによりうってつけに思えたのだ。 19才の僕には、花屋は高校へ向かう道の途中にある一つだけで、それより他には存在しなかった。今では近所を歩くだけで七軒は見つかる花屋だが、当時はそんな様子…

失踪と、決まらないことの話

失踪するなら今だろうと思う瞬間がある。 恋人と過ごす休日の中、一人で自動販売機まで向かうエレベーター。 通勤電車の代々木公園駅。 待ち合わせ場所に先に着いた友人に、到着を知らせるメールが送信される瞬間。 消え去りたい悲しみや、死んでしまいたい…