完全に知らなかった

僕たちはわかりあうことができない

1936 - 2013

"宇宙だなんて言わないで星々 埋まったままで瞬く夜もあるから" 仕事の休憩時間に、人から借りた本を読んでいた。読み始めてほどなく、ブックカバーの紙質が、なんとなく気になってめくってみた。紙の隅にはURLが印字されていた。どこかのWEBページの画像を…

短歌たち

私はこの前を読むことが出来ない 翳る悲しみが壁になって過去 スクールバッグ 名前のない”かわいい”がおどるステージへおくるストロボ 何をする人なのかも知らないままに憧れていたのよ調律師 「晩年っていつだったの」と問いかける死にゆくものを見つめる瞳…

思い出してやることだけがせめてもの供養なのだろう青春の

思いついたことを全て書こう。 思いついたことを思いついた順番に全て書いて、それを振り返ってタイトルをつけたら、そのタイトルが2013年夏の俺が持つ全てのポエジーだ。 風呂に入ったり一人で飯を食ったりしている間には無尽蔵に何かしらが思いつくし、そ…

無自覚に燃える

僕の頭に、消えないかさぶたがある。いつからあるのかもわからないし、原因もわからない。 ときどき少しだけ痒くなって存在を思い出す。今日は血が出てしまった。 短期間で、それぞれが無関係な三人の友人たちから、結婚に関わる話を聞いたとする。 それは一…

見た目記念日

雪の降らない街にでも、ときどきは雪が降る。 やることがないあまりオタクになった。 決まった曜日に決まった雑誌を買って、決まった日付に決まった漫画の単行本を買う。 決まった曜日の決まった時刻にテレビの前に座る。やらなくてはいけないことが欲しかっ…

19才のハチミツ

花を贈ろうと思った。 クリスマスの夜に花束を贈ることは、なによりうってつけに思えたのだ。 19才の僕には、花屋は高校へ向かう道の途中にある一つだけで、それより他には存在しなかった。今では近所を歩くだけで七軒は見つかる花屋だが、当時はそんな様子…

失踪と、決まらないことの話

失踪するなら今だろうと思う瞬間がある。 恋人と過ごす休日の中、一人で自動販売機まで向かうエレベーター。 通勤電車の代々木公園駅。 待ち合わせ場所に先に着いた友人に、到着を知らせるメールが送信される瞬間。 消え去りたい悲しみや、死んでしまいたい…